安心の「永代供養墓」。その安心とは・・・
お墓探しの広告やWEBサイト等では、最近「永代供養墓」という言葉を頻繁に見かけるようになりました。
ところでこの「永代供養墓」とは一体何だろう、普通のお墓とどこが違うのだろう?と疑問に思われる方も多いと思います。
一般的なお墓は、代々家族で護っていくものですが、代が途絶えてしまうとお墓を護る人がいなくなり、お墓は無縁墓となってしまいます。
一方の永代供養墓は、お墓を護ってくれる人がいなくても、お墓の管理者が責任を持って永代に渡り供養や管理をしてくれます。
ですから永代供養墓は、独身の方やお墓の継承者(お子様等)のいらっしゃらない夫婦にとって、無縁仏になってしまう不安を取り除いてくれる、「安心」のお墓と言えます。
またお子様のいる場合でも、お墓の維持にかかる負担をお子様にかけたくない方や、個人や夫婦だけでお墓に入りたい方にもおすすめです。
目次
▶ ご遺骨の扱い方による分類
▶ 永代供養墓のスタイル色々
▶ 選び方のポイント
ご遺骨の扱い方による分類
永代供養墓を探し始めた方は、多様化した昨今の永代供養墓にまず驚かれることでしょう。
供養の仕方や料金体系も基準がまちまちで、慣れないと分かりづらいかもしれません。
ついお墓の外見の違いに目が行きがちですが、まずは大きな仕組みの違いを把握しておくことが大切です。
永代供養墓は、主に以下のように大別できます。
お骨をひとまとめにするタイプ
「合葬(がっそう)」や「合祀(ごうし)」と言い、比較的安価な場合が多いです。
他の利用者とお骨を混ぜて土に還すので、後で気が変わってお骨を移そうとしても取り出すことはできません。
お骨を個別に安置するタイプ
他の利用者とお骨が混ざること無く、大抵は後でお骨を取り出すことも可能です。
しかしこのようなタイプの永代供養墓は希少です。
お骨を個別に安置し一定期間が過ぎるとまとめられるタイプ
一定期間というのは墓所により様々です。短い場合は数年、長い例では納骨後33年個別に安置できるところもあります。
永代供養墓のスタイル色々
永代供養墓の中には、普通のお墓と見た目が何ら変わらないものから、ハイテクぶりに驚かされるものまで様々です。
ここに主なものを紹介します。
〈合葬墓・合祀墓〉 例:金鳳山 龍散禅寺(神奈川県伊勢原市) 共同のモニュメントに向かってお参りします。 お骨は一カ所にまとめられ、他の利用者と混ざり土に還るので、後で取り出せません。 | |
〈永代供養付墓所〉 例:メモリアルガーデン梅郷聖地(千葉県野田市) 普通に墓石を建てたいという方におすすめです。 墓石を建てた後、継承者がいなくても霊園が管理してくれます。 | |
〈納骨堂〉 例:久保山清苑(神奈川県横浜市) 骨壺を安置しておくための建物です。 都市部ではビル型納骨堂として複数階層からなるものが多いようです。 どうしても将来的に、建物そのものに老朽化が起こってきますので注意が必要です。 納骨方法は「ロッカー式」「自動搬送式」など多種多様です。 | |
〈ロッカー式納骨堂〉 例:霊源寺納骨堂 博眞閣(東京都品川区) ロッカーのように個別のスペースが仕切られ、骨壺や位牌等を安置します。 自分のスペースに向かってお参りをするタイプと、礼拝場所が別に設けられているタイプがあります。 | |
〈仏壇型納骨堂〉 例:正善寺 調布霊廟(東京都調布市) ロッカー式を発展させてそれぞれを仏壇型にしたものです。 自宅には仏壇が置けないという方におすすめです。 | |
〈自動搬送式納骨堂〉 例:春慶寺 えにしの苑(東京都墨田区) お参り用のブースでカード等で認証し、骨壺を呼び出します。 厨子や墓石にセットされた状態の骨壺に向かいお参りします。 | |
〈樹木葬〉 例:あおぞら霊園(神奈川県横浜市) 昨今非常に話題になっているスタイルです。 「大きな木の根元にお骨を納めるもの」「花壇の下にお骨を納めるもの」など色々なタイプがあります。 |
選び方のポイント
永代供養墓を選択する方の中には、お墓に対するこだわりが無く、安さと手軽さだけで決められる方もいらっしゃいます。
しかし後で不都合に気がついて後悔しないように、自分にとって重要なポイントを整理しておきましょう。
例えば・・・
・骨壺のままで安置したい期間
・利用する人数
・お参りする方の交通の便
・ご予算
・自身や家族の宗派
など
金額の安さを優先する場合は、将来的に何人で利用するのかも考えておきましょう。
一人分だけで比較すると一見安く思いがちな永代供養墓ですが、人数が増える毎に追加料金がかかる場合もあるので注意が必要です。
管理料も長い期間で考えると大きな差になります。金額だけでなく管理料を納める期間も大まかに想定しておきましょう。
また、一般に永代供養墓は宗教の制限が無い場合が多いですが、お墓の管理者がお寺であることが多いので、供養の様式は各宗派に委ねられます。
そして一番ご注意いただきたいことが、ご遺骨は一度合祀されてしまうと元に戻せないということです。
永代供養墓はお墓の継承者がいる方でもご利用になれますが、後の代のことまで考えて慎重にお選びください。