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『墓じまい』の意味…意外と知らない人が多い

みなさんは『墓じまい』と聞いてどのようなイメージをお持ちになるでしょうか? googleで『墓じまい』と検索したらなんと!318万件もヒットしました。近年『墓じまい』や『お墓の建て直し』で行き場を失った墓石が不法に投棄されるニュースを目にすることがあります。大切なご先祖を祀ってあった“墓石”がそのような粗末な扱いをされているのを見るたびに心が痛みます。お墓を所有する約半数以上の方は「無縁墓」になってしまうことを心配しています。漠然と『墓じまい』をイメージしていると、いざ実行しようとした時に予算的にも精神的にも「考えていたことと違った…」となりかねません。まずは『墓じまい』の基礎知識を身につけておきましょう。

    コンテンツ

▶ 『墓じまい』をするということは…?

▶ 『墓じまい』を考えるきっかけは?

▶ 『無縁墓』にしないための『墓じまい』

『墓じまい』をするということは…?

多くの人が『墓じまい』が墓地から遺骨と墓石を撤去して更地にする…つまりお墓参りはしない…「供養も放棄する」ことと捉えているのでは?それは間違いです。『墓じまい』をしたら、ご先祖様の遺骨を別の“墓”に納めなくてはなりません。『墓じまい』と『お墓の引越し』(改葬)は、合わせて考えなければなりません。法律的にも、墓埋法で「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行なってはならない」(第4条)と規定されていますし、刑法でも「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は3年以下の懲役に処する」と定められています。『墓じまい』は、まず先に「遺骨をどこに引越しさせるのか?」を考えなくてはいけません。

『墓じまい』を考えるきっかけは?

「今のお墓」を、ずっと守りっていくことへの不安や心配を、自分の代で「解決しておきたい」と考えるからなのです。お墓を持つ人の4人に1人が『墓じまい』を考える背景には超少子高齢化時代の到来や都市集中型社会が影響しています。では、実際にどんな具体的な理由で『墓じまい』をしたのか?みてみましょう。

▷『墓じまい』する理由

・お墓が遠方にある(飛行機代や宿泊代などもかかる)
・継承できる子どもがいない
・子どもは海外で暮らしていて帰国する予定がない
・両親が離婚して、子どもは娘一人、先祖代々のお墓は荷が重い
・子どもに迷惑を掛けたくない(具体的には…お墓の管理費やお参りのための交通費、お寺などとの付き合い等)
・運転免許を返納したから、お墓までの交通の不便さを感じたから
・お嫁に行った長女に「お墓」の負担を掛けたくない
・長男だけど、住んでいるのは別の地域
・霊園の階段を上ることが困難になってきた
・今のお寺との付き合いに不安。信頼できるお寺にお墓を持ちたい
・姉妹は嫁いだ…実家の墓をみる人がいない
・先祖代々の墓はあるが、その地域の人や親戚関係は希薄
・没後何十年経った後に「自筆証書遺言」を発見、そこに海洋散骨を希望することが記されていた
・お墓の修繕費がかさみ、毎年の出費がかかる…など。

『無縁墓地』にしないための『墓じまい』

さまざまな「心配」を抱えたままにしておくと、そのうち誰も管理できなくなり「無縁墓」になることに。それは先祖への顔向けができない、バチが当たる…など日本人の宗教的感情からも多くの人が「避けたい」と思うのです。生きている人が『墓じまい』を選択するのは、“やむを得ない”理由を解決し『無縁墓』にしないという思いがあってのことでしょう。

『墓じまい』しない選択肢も

お墓を持つ人の4人に一人が『墓じまい』を考えている…社会背景とともに、今後ますますその傾向は強くなってくるでしょう。その前に、まず「今のお墓を維持できないか?」を検討してみましょう。「遠方でお墓参りが難しい」という理由ならば、お墓参りを代行するサービスがあります。超少子高齢化社会の到来に合わせた供養や、管理に対応する霊園や墓地も少しずつ増えています。所有するお墓の霊園に新しく追加(変更)されたシステムがないか?を確認・相談してみてはいかがでしょう。

まとめ

『墓じまい』という言葉のイメージだけで理解していると、実際とはズレている可能性もあり…。正しい情報を知って、自分の家の「お墓」事情と照らし合わせておきましょう。

        • 『墓じまい』は、ご先祖の供養をやめるということではない!
        • 『墓じまい』は、今のお墓で抱える問題を解決するための選択肢の一つ
        • 『墓じまい』は、今のお墓を更地にして元どおりの状態にすること
        • 『墓じまい』したら、新しい「お墓」(供養先)を決めること(『お墓の引越し』と同列で検討すること)
        • 『墓じまい』は、無縁墓にしないため、先祖との“縁”を繋ぐということ
        • 『墓じまい』をする前に、今のお墓を維持する方法はないか?検討する!
        • 『墓じまい』をする理由は、さまざまですが「先祖との繋がり」を大切にしたい、という思いがあるからこその選択ということは間違いないのでしょう。