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すぐ取り組むべき「デジタル終活」_終活アドバイザーからの提案!

ご自身はスマホお持ちですか?総務省の調べによると、個人のインターネットの利用率は79.8%(資料1)、またデバイス別ではスマートフォン(以下スマホ)の59.5%(資料2)がもっとも高く、パソコンを上回っています。そして年齢別でみてみると70歳以上の方が約半数ではありますが、40歳以上59歳未満の方は90%(資料3)を超えています。世代問わずスマホは「生活や、暮らしに欠かせない存在」となっているのです。そしてある調査会社が20歳以上の男女を対象に2018年に実施した「終活」に関する調査では、お墓や相続手続きを差し置いて興味のある「終活」第3位という結果でした。(ちなみに1位:所持品の整理、2位はエンディングノートの準備)それほど多くの社会人の関心ごとということでしょう。「終活」という名称が付いていますが、高齢者だけの話では決してありません。これは「スマホを利用する」人はみなさん関係します。(「終活」も高齢者に限ったことではない)

スマホは頼れる「相棒」

イメージしてみましょう。出掛ける時には「スマホ」は置いていこう!という選択肢はありませんよね。電車に乗る前には「のりかえ案内」のアプリで検索、駅に着いたら「自動改札機」にスマホをかざして乗車、友人と待ち合わせには「LINE」などのアプリで連絡を取ります。レストランの場所を「地図アプリ」で調べて向かい、食事をしたら「電子マネー」で決済し、友人との楽しい時間やお料理を撮影してSNSに投稿する…。手のひらにのせて操作するくらいの小さな「スマホ」をどれほど活用しているのか?と「便利になったなぁ」と感じる反面「サバイバル能力が低下してしまったのでは?」と感じます。1日も手放せなくなっている…のは私だけではないのでは? 駅での待ち合わせに遅れて、「伝言板」の友人のメッセージをみて、急いで後を追っかけていた頃が懐かしい。今、事情も分からず何時間も待たされることなんて皆無なんでしょうね。

1日「スマホ」を忘れただけでも、大変面倒なことになりますし不安にもなります。これが『1ヶ月以上』…だったら??スムーズに生活できません。1日も手放せない、生活に密着した、ましてやお金に関することも扱う「スマホ」をまずは『自身がしっかり管理する』ことは重要性が高いと考える必要があります。これができていれば、将来的に「デジタル終活」にも繋がります。まずは「自身が何かあった時に困らないようにするため」そしてそれは「大切な家族のため」にもなります。たとえ夫婦でも家族でもログイン情報がなければ開くことはできません。携帯会社に頼んでも不可能です。今のスマホは、指や顔などの「生体認証」と「高度な暗号化」に守られ、適切に設定してあれば、ログインアカウントを知らない第三者がアクセスすることは不可能です。ですから「万が一」のことまで考えなくても(日々「スマホ」を使いこなしている方であれば)「今すぐにでも整理が必要」だということは“イメージ”できるのではないでしょうか?

このコラムでは、多くの人がインターネットの利用時に使用する「スマホ」に特化して紐解いていきましょう。

本題に入るその前に‥理解しておいていただきたい!まめ知識

●「デジタル遺産」と「デジタル遺品」があること知ってた??
「デジタル遺産」は、お金に関係し、「デジタル遺品」は、思い出に関係するとざっくりと捉えておきましょう。
●アカウントを説明できる?

会話に「○○のアカウント持ってる?」という言葉が出てきますが、正しく説明できますか?恥ずかしながら私は「雰囲気」で自分流に解釈し、今までやってきました。アカウントとは「ユーザーがコンピュータ(ハード機器)やインターネット上のサイトに「ログイン」するための権利のこと。ログインするには、A:メールアドレスやIDなどと、B:パスワードを入力しなければなりません。両方揃っていることこそ「ログイン」できる権利を持っている、ということなのです。

「スマホ」の中身(アプリ)を『見える化』してみる!

ご自身の「スマホ」を出して画面を見てみましょう。どんなアプリが入っていますか?

1.金融系(銀行、株、年金、仮想通貨、FX、電子マネーなど)
2.通信プロバイダー系(au、SoftBank、docomo。ワイモバイルなど)
3.検索サービス系(Google、yahoo!など)
4.SNS系(Facebook、LINE、Instagram、Twitterなど)
5.ショッピングサイト系(楽天、Amazon、メルカリ、パルシステムなど)
6.エンタテインメント系(ゲーム:パズドラなど、動画:Amazonプライム・ビデオ、YouTube、Netflixなど、音楽:Spotify、iTunesなど、雑誌:読み放題プレミアム、Kindleなど)
7.ショップ系(ヨドバシカメラ、航空系マイレージ、Tポイントなど)
8.クラウドのストレージ(Apple、Evernote、GoogleDrive、boxなど)
9.会員制オンラインサービス系(クックパッド、食べログ、radiko、amebaTV、個人のオンラインサロンなど)
10.電子メール
11.写真や画像、音楽のデータ、文章、日記、各種資料など

「見える化」してから「断捨離」

「スマホ」の中に入れた「アプリ」や「データ」を列挙してみましょう。手書きでも、Excelなどに入力するか一覧できるようにします。私の場合は「アカウント名(アプリ)」、ログイン情報「メールアドレスやID」✖️「パスワード」、そして「お金に関わる」、「家族に伝えておくべきか?」「備考:アカウントを設定した日などメモする欄」を表にしています。一度に並べてみると…現在使っているか?いないアプリか?見えてきます。使っていないアプリは削除しましょう。その際そのアプリが再び再インストールできるとは限りませんし、そのアプリで作ったデータの場合、データが消えたりする可能性がありますので慎重に。

「区別」する!

「デジタル遺産」(デジタル財産)つまりお金が絡むアプリは重要にカテゴリーします。有料制のサイトに契約していたら、月々の支払いを止める必要があります。ネット証券やFX、ビッドコインなど本人以外は把握していない遺産があれば、額によって後々追徴課税される…ということになりかねません。自分しか知らない…へそくり的な契約もちゃんと「見える化」して家族や大切な人に伝えておきましょう。毎月どんな項目が引き落としされているのかをチェックすれば、その重要度は高いと言えます。

いつもご自身が「どのようにログイン」していたか?

アカウント情報があれば、基本的には大切な人に情報を「継承」できます。もう1点大切なことは、ご自身が「どのデバイスでどのようにログインしていたか」までをこと細かく記載しておくと安心です。重要なカテゴリーは、ログインまでの手順と、ログインしてからいつもどんなところを見ているか?どういう作業をしていたかまで流れに沿ってマニュアルを作成しましょう。パソコンやインターネットに強い人ばかりではありません。誰が見ても分かるように親切丁寧に記載することがポイントです。

その一覧やマニュアルをどこに保管するのか?

これは「エンディングノート」でも同じなのですが、「どこにしまっておけばいいのだろう?」と悩みます。この「デジタル終活のアカウント(アプリ)一覧」は、「エンディングノート」の「デジタル系」のページに貼る、そして「貸金庫」という人もいますが。。ご心配の方はそれも“あり”です。家庭の中で「一番安全で秘密の場所」を家族で共有しておくことが大切ですね。ひとり暮らしの方は、いざという時に頼れる方に「このような情報もまとめてある」と伝えておきましょう。パソコンにデータ保存もありだと思います。その際はハードディスク2つ以上に保存して、どこに保存してある、そこのデータを見るにはこのような手順で!まで詳細を記入しましょう。クラウドなどにデータを保存する場合は、「そのサービスが変更されたり、なくなったりする」ことも想定して、安全策を取ります。私はこの「アカウント一覧」を作成してから、ログインがとてもスムーズになりました。ストレスもほとんどありません。必要最小限にしても…40コを超えるアカウントのログイン情報は覚えてはいられませんから(汗)家族は私個人のパソコン自体はログインできますし、それぞれのアカウント情報を残しておけば、私も家族も安心です。

まとめ

「デジタル終活」の「スマホのアカウント(アプリ)」に特化した内容でお伝えしました。インターネットに関わる我が家の話で少々本題からは外れますが…あるショッピングサイトから記憶にない500円ちょっとが毎月引き落としされていました。調べられる限り調べましたが引き落としされる契約になっていません。問い合わせの窓口は、サイトのとても分かり難い場所にあり、「問い合わせを受け付けない」の?と企業の体質を疑うほどでした。しかもメールでしか受け口はありません。すぐに「なぜ引き落としされているのか?」とメールを送りましたが、5ヶ月経った今も返信はなく、引き落としは続いています。(カード会社経由で引き落としされている為、現在カード会社に調査依頼しています)「デジタル終活」に関係なく、現役世代もこのような「身に覚えがない」や「すでに契約を終了しているはず」の引き落としがないとは断言できません。ネットライフも「シンプル」にして、ご自身が把握する!ということが何より重要です。把握した大切な情報は「忘れないように」しっかり情報として記録しておきましょう!というのが「デジタル終活」だと考えます。

1.「デジタル終活」は、ネット利用者全員に関係する
2.「見える化」=「自身が把握」する
3. お金に絡むことを重要項目として、マニュアルを作成しておく

【Facebookからのフォロアーの皆さんへ】

2020年11月19日に、Facebookにも「終活が〜」と投稿しましたが、もう少し詳しくお伝えします。SNSで「〇〇さんのお誕生日です」とお知らせが来るたびに切なくなる(涙)と「デジタル終活」のセミナーの講師がおっしゃっていました。Facebookは(Facebookに限りません)、亡くなった家族のアカウント削除することはなかなか大変です。(https://www.facebook.com/help/1518259735093203

今のうちに、一般アカウントの設定から「追悼アカウントの設定」で、アカウントの管理をお願いしておくことをオススメします。生きていれば何が起こるか分かりません。できることは対策しておけばご自身も大切な人も「面倒なこと」が大幅に軽減されるのです。私は夫から「万が一の時はよろしくね!」と言われています。友人にこの話をすると「知らなかった」という声が多かったので書いておきます。Facebookを気楽にもっと活用して、人と人がいい方向で繋がってちょっとでも「楽しい」存在となればいいと感じます。

「家族や大切な人に伝えたい」思い出に関する「デジタル遺品」についてはまた次回に。
© 2020 澤渡裕子