お悩み解決! お墓の引越しの手順や手続きを徹底解説
「お墓って、引越しできるの?」と、驚かれる方もいらっしゃるかも知れませんが、実は最近増えているんです。
「郷里のお墓が遠くてなかなかお参りに行けない」
「階段があってお参りがつらい」など、よく耳にするお墓の悩み。
お墓の引越しで、一気に解決することもあるのです。
まずは、引越しで解決できる様々な悩みをご紹介します。
目次
▶ お墓の引越しで解決!こんなお悩み
▶ 必要な手続きは?どのような手順で行えばいいの?
▶ 気になる費用は?
お墓の引越しで解決!こんなお悩み
立地の悩み
•ふるさとのお墓が遠くてお参りに行けない
•住まいの引越しに合わせてお墓も移設したい
•継承者のことを考えてお墓を便利な場所へ移設したい
遠くて不便な場所にお墓があると、お墓参りの足も遠のきがちに。
交通費や宿泊費等の心配も大きな負担になります。
ふるさとのお墓を守っていくことも良いことですが、自宅近くで手厚く供養するという方法も、ご家族だけでなく、ご先祖様のためになります。
環境・機能的な悩み
•階段や段差が多くてお墓参りしづらい
•陽当たりや水はけ等に問題がある
•ペットも一緒に埋葬したい
•複数ある親族のお墓をひとつにまとめたい
一昔前とは違い、現在は多様なニーズに応えられる様々な設備を備えたお墓があります。
ご家族にとって必要な条件は何なのか、まずはしっかり整理してみましょう。
宗教上の悩み
•他のお寺に入檀しなおしたい
•宗旨変えをしたのでお墓を移さなければならない
宗旨に適したお墓、または宗旨を問わず入れるお墓を探すことをおすすめいたします。
必要な手続きは?どのような手順で行えばいいの?
お墓の引越し…なかなか経験しないことですし、いざとなると何から手を付けたら良いのかよく分からないですよね?
いろいろ面倒な手続きに時間や手間がかかりそう…と心配になってしまいます。
しかし、意外にも難しいことは何もありません。
必要な段取りを、順を追って見ていきましょう。
STEP1. 移転先を選ぶ
住居と同じように、お墓の引越しもまずは移転先が決まらなければ話が進みません。
お墓参りに最も適した環境を考えて、よくご検討ください。
立地条件や環境、価格など、総合的に判断されることをおすすめします。
⇒関連コラム:自分に合ったお墓を選ぶための3つのポイント
STEP2. 改葬許可申請をする
「改葬」とは、お墓の引越しのことを言い、そのために必要な行政への手続きは、この「改葬許可申請」だけです。
役所にこの申請をして、「改葬許可証」を発行してもらえばOK。
許可証発行までの手順3つを、順に見ていきましょう。
新しい墓所の管理者から書類を発行してもらう
引越し先の新しい墓所を正式に契約したら、その墓所の管理者より「墓地使用許可証」または「受け入れ証明書」のいずれかを発行してもらいます。
これらの証書は「永代使用承諾証」「墓地使用承諾証」など、墓所により名称が異なります。
※墓地管理者…霊園の管理事務所、お寺の場合はご住職のこと
古いお墓がある地域の役所から申請書をもらう
既存のお墓がある地域を管轄している役所へ、お墓の移設に対する許可を申請します。
この手続きを「改葬許可申請」と言います。
この「改葬許可申請」に必要な書類として、「改葬許可申請書」「埋葬証明書」の二つを、既存墓地を管轄する役所から発行してもらいます。
これらの書類は、仏様1人に対して1枚ずつ必要となることが多いようです。
なお、自治体により書類をインターネットでダウンロードできる場合もあります。
•改葬許可申請書 … 既存墓地管理者の署名・捺印が必要です。
•埋葬証明書… 役所で発行する場合と、既存墓地管理者が発行する場合があり、市区町村により異なります。
どちらの書類も全国統一の形式はなく、手続き方法も市区町村により異なります。
自治体によっては、1枚の書式にまとめられている場合もあります。
書類の不備・不足で何度も足を運ぶことにならないよう、事前に役所へ問い合わせをしてしっかり確認しておきましょう。
そろえた書類を役所に提出する
•移転先の墓地管理者より発行された「墓地使用許可証」または「受け入れ証明書」
•既存墓地を管轄する役所より発行された「改葬許可申請書」と「埋葬証明書」
(既存墓地管理者による署名・捺印済みのもの)
上記の書類を揃えたら、既存墓地を管轄する役所へ提出します。
これが受理されると「改葬許可証」が発行されます。
なお、許可証発行までのすべての手続きを郵送でやり取りしてくれる場合もありますので、遠方の場合等は、役所へ問い合わせてみると良いでしょう。
STEP3.ご遺骨の引取り
公的な事務手続きも済み、いよいよ引越し作業に入ります。
まずは既存墓地管理者に相談の上、ご遺骨の引取り日時を決めます。
引取りの手続きには「改葬許可証」の提示が必要となります。
また、併せて閉眼供養(魂抜き)の法要も手配しておきましょう。
ご遺骨引取り後、古い墓石が不要になる場合は石材店に依頼して撤去します。
なお、「改葬許可証」発行手続き~ご遺骨の引取りまでをすべてて1日で行う場合は、スムーズに進めるためにも既存墓地管理者や石材店と事前によく打ち合わせをしておくことが大切です。
STEP4.新しいお墓へ納骨
新しいお墓に埋葬する日時を決め、納骨します。
この納骨式の際に「改葬許可証」を移転先の墓地管理者へ提出します。
納骨の申し込みは事前に済ませておきましょう。
気になる費用は?
お墓の引越しにかかる費用として、大きく分けて以下のものが必要となります。
•新しいお墓の購入費用(永代使用料、墓石を新調する場合は墓石購入費用も必要)
•新しいお墓への納骨作業料や事務手数料、開眼供養料
•古いお墓から遺骨を取り出す作業料、閉眼供養料
•墓石の搬送・据付費用(既存の墓石を新しいお墓で使用する場合)
•墓石の処分費用(引越し先で墓石を新調する場合)
この他、お寺の場合には離檀家料といったお布施が必要な場合もあるようですが、お寺ごとのしきたりや習慣でまちまちのようです。
諸費用については、新しいお墓の購入費用と併せて、石材店に見積もってもらいましょう。
お墓の引越しで注意すべき3つのポイント
お墓の引越しを決める際には、既存墓地管理者へその意思を伝え、相談することが大切です。特に寺院の場合、お盆やお彼岸以外にも常日頃お世話になっていた訳ですから、誤解のないよう誠意をもって経緯をお話ししましょう。
お墓を引越した後は、古い墓石を撤去し、元の更地に戻して返還する義務があります。その際の費用はすべて自己負担となります。
契約時に支払った永代使用料は返金されません。永代使用料とは、その土地をお墓として使う使用料金であり、購入費用ではありません。
移転先が決まったら、早めに既存墓地管理者へ墓地返還の手続きについて相談しましょう。